INTERVIEW
なぜ失敗したかを考えなければ、仕事の精度は上がらない
三井 考太 さん
2010年入社どのようなお仕事をされていますか?
私が行っているのは、機械や工具に使われる金属部品の精密加工です。部品の素材となる金属は、鉄やアルミ、ステンレスなどで、その種類は数十種に渡ります。お客様から図面をいただいて、加工機械を使いながら削り取りや穴あけ加工を行います。しかし、単に機械にかけて加工していけばいいのではなく、加工の順番や最適な方法を自分で考えて、機械にプログラムを打ちこむ必要があります。
例えば、一秒間にどのくらいの速さで削り取りを行うかが素材ごとに異なるため調整したり、100分の1mm単位での誤差で加工を行うにはどのように削っていけばいいか考えたりしています。自分で図面を見て、これならこうやればいいかなって具合で3~4段階くらいかけて製品を仕上げていきます。それに、機械ごとに癖や性格みたいなものがあるので、それも踏まえた補正をして、精度を追い込んでいきます。
大きいなものになると直径400mmくらい、300㎏の円柱状の鉄を扱うこともあって、大変な仕事だと感じることもありますが、完成した時の達成感も大きいです。
やりがいに感じることは何ですか?
難しい加工のものを最後まで完成させた時です。
金属もさまざまな種類があって、素材ごとに硬さや粘度が違ったいます。硬い鉄やステンレスは加工に時間がかかったり、アルミは粘度があるので削りカスが捌けづらかったり、柔らかい分傷つきやすかったりと、気を付けることは多いです。何かの拍子にちょっと引っかかってしまい、小さな傷をつけてしまうと、不良となって作り直し、というようなシビアな場合もあります。
金属部品を作るとき、外側と内側を加工していくのですが、内側は見えないので特に難しいです。削りの深さを間違えてしまうとすぐに不良品になってしまうので、加工の際はとても神経を使いますね。
ですが、こんな難しい加工を数十個、同じように仕上げた時、やり切ったなと感じます。周りの先輩方にも褒めてもらえます。そういうのがやりがいですね。
入社後はどのように仕事を覚えましたか?
まずはベテランの先輩のもとについて一緒に仕事をやって覚えていきました。付きっ切りというわけではありませんが、近くの機械で作業をしている先輩方にいろいろと見てもらったり、分からないことを教えてもらったりしました。
初めはとにかく分からない事だらけでしたね。例えば機械一つにとっても、とにかくたくさんのボタンがついているので、どれを触ればいいのか全く分からなかったです。
仕事を覚えている時は失敗もたくさんしました。寸法を間違えてしまったり、プログラムを打ち間違えて外側を削るときに使う工具で内側を削ってしまったりしました。工具を間違えてしてしまったりすると、機械が壊れて修理費が何十万円もかかってしまいます。そういう時はとても落ち込んでしまいましたね。
でも気にしすぎてしまうと先に進むことができないので、仕方ないと割り切って、上司に謝りました。それからどうして失敗したのか、どうすれば良いのかを自分で考えて次に活かしていきました。今も失敗してしまう事がありますが、そういう時は常に次に活かすことができるように考えています。
新しい方が入社されたとき、どのように指導してもらえますか?
私の時はあまり細かいところまで教えてもらうことができませんでした。とにかく見て覚える、という昔ながらの感じでしたね。でもそれだと分からないことも多いので、自分でインターネットなどを使って調べて、知識をつけていくことも多かったです。
それでも分からないことが出てきたりしたので、私が教えるときには一から細かいところを教えてあげたいと思っています。例えば機械や材料の名前で、こんな特徴であること、この機械操作の手順にはこんな意味があるなど、私の分かる範囲でたくさんのことを教えていきたいですね。
もちろん私にも分からないことがまだたくさんあるので、一緒に技術を向上させたり知識を深めたりして、どんどん一緒に成長していきたいと感じています。
仕事の他に、プライベートではどのように過ごされていますか?
ロードバイクでサイクリングをすることや、洋服などの買い物に行くことが好きなのでよく行っていました。最近は二人の小さい子供と一緒に公園で遊んだり、幼稚園の行事に参加したりしています。でも、コロナの影響で行事の縮小や中止が多くあるので、とても残念です。
最後に、どんな方に晴和精機製作所をおすすめしたいですか?
今この会社は機械の台数の割に、人数が少なく、機械が余ったりすることがあります。人が少ない分、動きやすさもありますし、皆接しやすく良い人なので助け合ったり支えあったりできていますね。
また、加工は一人一人で行うことの方が多く、黙々と作業をすることが多いです。それぞれに割り振られた図面をもって、品物を作っていく感じです。その時に、完成品の綺麗さや正確さが必要になるので、几帳面とまでは言いませんが、慎重に気を付けて作業ができる人が向いていると思います。